☆LONG STORY☆
□☆ゴロン
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☆ゴロン
昼下がり、チカさんちのリビングでゆったりと過ごしていた。
春を通り越して季節はすっかり初夏になり、
窓から吹きこむ風は心地よいけれど、
少し湿り気を帯び、日本の夏を予感させる。
チカさんは気持ちいいからと、フローリングの床に、、
直接ゴロンと寝転がって雑誌を読んでいる。
クッションの上でうつ伏せで。
初めてその姿を見た時、よく知ってるわたしでさえもちょっと驚いた。
なんかチカさんって本とかもきっちりと座って読みそうだったから。
そう言うと、チカさんは、
「私だって、寝転んで本くらい読むよ。人間なんだから。」って
ゆるく苦笑いした。
そして、わたしをチラリと流し見て。
「一緒にいるの、ゆみこだし。」と。
何気ない視線にも、クラリと来て。
別に何か言われた訳じゃないけれど、
チカさんが心の扉をいっそう開いてくれたように感じて。
チカさんのテリトリーに、またわたしが入れるところが増えたようで。
心がほわっとなった。
わたしは読んでいた本を、脇に置くと、
両手を万歳の形にして、大きく伸びをした。
「う〜ん。。チカさん、アイスでも食べますか?」
「うん。いいね。」
チカさんは目だけこちらに向けて。
ソファーから立ち上がり、チカさんの頭の上を通り、キッチンに向かう。
わたしも、今日は素足に7分丈のパンツだ。
確かに、足の裏に直接触れるフローリングの木の冷たさが心地よい。
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