☆LONG STORY☆

□☆特別
1ページ/10ページ


☆特別

今日は休演日。
ふたりが気に入っているお店のパスタがどうしても食べたくなり、
少し郊外まで、車で出かけて来た。
ナチュラルなテイストに統一されているカフェは、サラダとパスタがとてもおいしい。
わたしは毎回、パスタの種類を変えるけれど、
チカさんはいつも大抵迷った末に、同じものを頼む。

メニューを前にして、熱心に選ぶチカさんは、何回見ても。

なんだか、可愛い。

ページを何度もめくって。
目を左右に往復させて。
とっても真剣に悩んで。。

いっつも、うふって、笑いが浮かんできてしまう。



案内してもらった窓際のテーブルには、さんさんとお日さまの光が降り注いで来て、
風は優しく、穏やかで、すごく気持ちがいい。

「いいお天気で、気持ちいいね。」

「うん。」

チカさんはちょっとまぶしそうに、目を細めて、外の景色に目をやる。
少し高台にあるので、遠くには宝塚の街並みが見えている。

「なんか、いいことありそう。」

軽く伸びをしながら言うと、
なにが可笑しかったのか、チカさんはわたしの顔をじっと見て、
クスッと笑った。

「な〜に?」

「ううん。そうだといいね。」

ふりこむ光の中、ゆったりと笑むチカさんがとてもキレイで、
ちょっとまぶしいくらい。


運ばれてきたパスタは、いつもと同じで、やはりおいしくて。
混んでいるので、かえって人目も気にならず、おしゃべりも楽しんだ。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ