☆LONG STORY☆
□☆特別
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☆特別
今日は休演日。
ふたりが気に入っているお店のパスタがどうしても食べたくなり、
少し郊外まで、車で出かけて来た。
ナチュラルなテイストに統一されているカフェは、サラダとパスタがとてもおいしい。
わたしは毎回、パスタの種類を変えるけれど、
チカさんはいつも大抵迷った末に、同じものを頼む。
メニューを前にして、熱心に選ぶチカさんは、何回見ても。
なんだか、可愛い。
ページを何度もめくって。
目を左右に往復させて。
とっても真剣に悩んで。。
いっつも、うふって、笑いが浮かんできてしまう。
案内してもらった窓際のテーブルには、さんさんとお日さまの光が降り注いで来て、
風は優しく、穏やかで、すごく気持ちがいい。
「いいお天気で、気持ちいいね。」
「うん。」
チカさんはちょっとまぶしそうに、目を細めて、外の景色に目をやる。
少し高台にあるので、遠くには宝塚の街並みが見えている。
「なんか、いいことありそう。」
軽く伸びをしながら言うと、
なにが可笑しかったのか、チカさんはわたしの顔をじっと見て、
クスッと笑った。
「な〜に?」
「ううん。そうだといいね。」
ふりこむ光の中、ゆったりと笑むチカさんがとてもキレイで、
ちょっとまぶしいくらい。
運ばれてきたパスタは、いつもと同じで、やはりおいしくて。
混んでいるので、かえって人目も気にならず、おしゃべりも楽しんだ。
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