☆LONG STORY☆

□☆膝枕
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☆tonami side

「となみ、色気が足りないなぁ。。」
先生がちょっと顔をしかめて笑う。

軽く一息、と言う休憩に入る時、先生からダメだしがでた。


今までも娘役をして来て一番足りないって言われてきたことだ。
自分でもわかっている。
気品や上品さ、また愛らしさはまだ出せる、だけど色気はどうにも。。

「玉勇は総司よりずっと年上の裏の裏まで何もかもわかった芸妓だよ。
 どうやったらその色気、包容力が出るかな。。」


わたるさんのさよなら公演でも大人の女性だった。
それはそれで、もちろん完璧にではないが最終的には演じれたと思う。
でも大人ではあったが、その役では色気を強く求められた訳ではない。

中日劇場出演メンバーで
京都のゆかりの地をたずね、雰囲気を感じ、その時代の書籍も読み、
それなりに役作りをしてきた。

「総司を思う気持ち、一途さは出てる。
 でもそれは、今まで酸いも甘いもかみしめてきた玉勇が、
 本気で純粋に人を好きになることで一層、クローズアップされてくるから。」

先生の言うことはよくわかる。
そうしたいが、できないーと言うより、
持ってないものは出せないのではーと
真剣に日々悩んでいた。
大事なミズさんのお披露目公演なのにーと言う焦りも大きい。



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