沖田総受1

□幸福な日々(完結)
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夕食後の自由時間。
休憩室の大広間で隊士たちがそれぞれくつろいでいるときだった。俺よりかなり年上だが俺の下にいる一番隊の隊員がやってきて言った。

「沖田隊長〜こういうのみたことありますか?」
非番で飲んだ帰りなのか結構酔っぱらってる。彼がもってるのはいわゆるエロ本だ。
「ばっか!おまっなんてこと!」
「すいませんっ沖田さん!」
「ばかやろーしまえ!沖田さんにそんなもんみせんな!」
周りの隊士があせって取りなすが、俺はおもしろくねえ。

俺だって一人前の男だ。剣を握ってるときはそんなことねえのにこういう場になると皆はとたんに俺を子供扱いする気がする。
だいたい男ばっかりの所帯でこういう話がでねえことはねえのに俺には極力触れさせまいとしてるんじゃねえかぃ。いや、気のせいじゃねえ。

「あんまみたことねえけど興味あるぜい。みしてくだせい。」
身を乗り出すと、周りがますますあわてた。なんでい。気にくわねえ。

グラビアを開くときわどい下着を着けたおねえちゃんがすごいポーズをとっていてちょっとたじろいだ。
実はほとんど見たことがねえんだ。こういうの。
ちょっと気恥ずかしくなってまわりを見るとなぜか周りはグラビアじゃなくて「固唾をのむ」て感じで俺をみてた。
な、なんでい。見るなよ。恥ずかしいじゃねえかっ。少し頬が赤くなった気がして慌てた。こんなんで恥ずかしがってたら餓鬼みてえだ。おちつけ。

「あ、あの・・・沖田さんもするんですか?」
若手の隊士がおずおずと聞いてきた。かなり顔が赤い。こいつも飲んでんのか。
「何を?」「何ってナニ・・おぎゃあ!」

そこでそいつはぶっ飛ばされた。
「てめえら・・・何やってんだ」
黒いオーラが漂う。げっ。いつでもどこでも現れやがって。
「ふ、副長!!」
 

蜘蛛の子を散らすように隊士たちがさっていった。ちぇ。いろいろ聞きたい事があったのに。でも正直助かった気もする。ちょっとどうしていいかわかんなかった。




「お前なあにやってんだ。変な話してんじゃねえ!」

そのまま腕を引っ張られてニコチン臭いヤローの部屋に連れ込まれた。なんでエロ本見たくらいで説教されなきゃなんねえんでい。んじゃ他のヤツにも説教しろよ。ふてくされてそういうと
「ちがうだろ!隙だらけなんだよ!おまっ
あーもう!」
なんだかしらないがいらいらと土方さんは煙草をかみつぶした。
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