沖田総受1

□それから(完結)
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なんでこんなことになったんだ・・・。



「ほら・・・総悟。今日はなんでも言うこと聞くんだろ?」
土方さんの低い声。いつにもまして甘く優しい。・・・でも目が怖い。初めて見る暗いまなざしが俺を射た。

深夜の寝静まった屯所。

「夜になったら部屋に来い。」

憤怒押さえきれない様子で土方さんから言い捨てられて俺はてっきり別れ話だとふるえる足で土方さんの部屋に赴いた。
それだけの事を俺はした。どうなるのかと
おびえて訪れた俺に意外に土方さんはうっそうと暗くほほえんだ。

そして今土方さんの部屋に敷いた布団の上で土方さんの膝に座らされて甘くささやかれていた。

「ほら、自分で着物をひらいて乳首をこっちに突き出せよ。」
土方さんの声はがんぜない子供に諭すように優しいがどこか怖い。

俺はおずおずと寝間着の胸元を広げる。
「もっと広げろ。」上から降ってくる強い声。仕方なく思い切って肩から単を滑り落として胸元を晒すと。
「総悟の乳首吸ってって言えよ。」とささやかれた。
 
俺はぐっと唇を噛みしめてうつむく。
土方さんと恋人同士になってしばらくたつ。でもこんな土方さんは初めてだ。


きっかけは一人の隊士だった。
剣の腕はなかなかで、しかも弁舌さわやかな隊士だった。隊も違うし、交流がないままでおわる関係だが、ふとしたことで親しくなった。

歳も近い。向こうが3つ上で、この真撰組ではかなりの若手だ。
年上ばかりにかこまれて過ごしてた俺は友達ができたような気分だったが、俺が気を許した理由はそれだけじゃなかった。

でも最初から土方さんはそいつの事を気に入ってなかった。

ことあるごとに俺に忠告してくれたのに。

「ほら。総悟。言えよ。」
強くうながされる。俺は下をむいたまま、胸元を晒して
「・・・俺の、ち、乳首・・吸って」と小さく言った。
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