基本銀新2

□ファミリー!(完結)
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「なんでこんな贅沢しちゃったんですか!?」


『いいとこつれてってやるから』
なんぞの言葉につれられてバイクの二ケツで小一時間。つれてこられたのは黒光りした柱の光る小さいながらも手入れの行き届いた温泉宿。




…高い。きっと高い。


「まあまあ。すっげええこれ旨そう」

テーブルの上にずらりと並んだ海の幸山の幸に銀さんは歓声をあげた。
銀さんは袴姿のままの僕とは違ってすっかり寛いだ浴衣姿だ。
こんなところにつれてこられて動揺した僕はとりあえず家計簿引っ張りだしてあれこれ予想される宿泊費用や必要経費を計算してしまった。家計を預かる悲しい性。その間に暢気にもちゃっかり温泉に入ってきたらしい。…こんのマダオが!


「おねーさん。ビール!」
「ってまったああ!」
僕は仲居さんに声を掛ける銀さんを慌てて止めた。
待って待って旅館のビールとかいくらすると思ってんの!?

「いいじゃん。オメーの誕生日なんだから」
「そう言うならこのお金!銀さんのポケットマネーからでしょうね!?」
「おうーこの肉うめえ。ほら、こうやってしゃぶしゃぶうううー」
「聞いてますか!?」

銀さんは綺麗に切られて並ぶ肉に夢中だ。
「ひひひ…この肉の色。エロイねえ。ピンク色〜今から銀さんが食ってやるぜ」なんてスケベオヤジさながら肉を目の前の一人用鍋にくぐらせて「ひひひ」なんて卑猥な笑い声をたててる。

だめだ。このマダオ!絶対家の金使い込んでる!たぶん自分が旨いもん食って温泉行きたかっただけだ!!

「いいじゃねえか。神楽もいねえしさ、ほら」

神楽ちゃんは例の『パピー』に誘われてしばらく出かけてしまった。

『一緒に旅立つことは出来なかったけれど親子だ。たまには一緒に過ごそうぜ』そう言われて嬉しそうだった神楽ちゃん。
もしかしてこうやってお父さんと過ごすのは初めてなのかな。そう思うと僕も嬉しくなった。

『新八、ゴメンアルネ。誕生日にいなくて。帰ってから酢昆布の空箱やるから』
『いらないですけど!』

大物エイリアンをしとめてガッツリ報酬が入ったとかでちょっとリッチに大名旅行らしい。加藤茶みたいな顔して神楽ちゃんのお父さんは凄腕だというのが今回の騒動でもよくわかった。

『旨いもん食ってくるアル!土産話期待してろよ!』
『話だけかよ!?』
なんて神楽ちゃんを見送って…




『二人でお祝いするか』なんて銀さんが珍しく言うからどんなことかと思ったらまたいきなりこんな散財!

なに神楽ちゃんに対抗してんだああ?この上司は!!
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