おまけ

□ローズオットー(完結)
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「総悟、しきりなおしだ!」





「…アンタ、馬鹿じゃねえの?」
はりきる土方にどうリアクションしていいかわからない。沖田は照れ隠し半分仏頂面でそう返す。



土方につれられてきたところは、ホテルの豪奢なスイートルーム。

広い部屋には冷えたシャンパンと果物の盛り合わせと大きな花束と…薔薇の花びらを振りまいたサテンのクィーンサイズのダブルベットというこの凝り具合。
風呂場を覗けば猫足の大きなバスに泡風呂に…というとことんアレな趣味に沖田は絶句した。


勝手知ったる様子で土方はずかずかと部屋に入り、テーブルの上に置かれたシャンパンを開ける。ちなみにいつもの隊服でも黒の着流しでもない。見慣れないスーツ姿でグラスとボトルを抱えてソファーに座る土方を沖田は硬直したように見つめるしか出来なかった。

沖田も土方に無理矢理着せられたスーツ姿だった。馴染まない洋装が一層沖田を落ち着かない気分にさせる。


「おい、突っ立ってねえで座れ」

「…どこのアホな新婚の部屋ですかい?」
やっと返事ができた。


「いいから!座れ」
「へえ」

土方に引っ張られてソファーに座る。
金の意匠を施した優雅な猫足のソファー。前には深緑の大理石のテーブル。

…一体いくら部屋代払ったんだか。

「違う!ここ!」
「わ!ちょ」

土方の膝の上にのっけられて沖田はあせった。

「お前の席はここだ。これから」
「ばっかじゃねえの!?」

「飯うまかったか?」
「…へえ」
そう答えると嬉しそうな土方の顔。その端正な顔に至近距離で見つめられて沖田は内心あせる。





どうしてこうなったのか。

まったく予想していなかった展開に沖田の頭も身体もうまく動かない。
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