沖田総受2
□監禁編(銀沖バージョン)(完結)
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ぴちゃんと水音がして目が覚めた。
薄暗いどこかの廃屋。格子越しの空には月。そして…。
「なんだあ。こりゃ。」
「旦那、目さめましたかい?」
首の拘束をいじりながら、記憶を思いだそうと頭を抱えていると、傍から声を掛けられた。
…沖田君!そうだ。沖田君と夜ばったり会って…。
「なんか知らねえですけど、どっかの誰かに拉致られたようですぜ。」
沖田君が自分の首の拘束を指さす。
鎖をひっぱるとしゃらんと音がして円柱越しにお互いつながっていることがわかった。
「ね、ほら。」
月明かりにもわかるその首の細さと白さにどきっとした。
…て俺、暢気だなあ。
「いや、何これ?」
「わかりやせん。」
うつむき気味な沖田君。
あれ?なんからしくない?
「元気ないねー」
「いや、旦那これ多分俺のせいです。とばっちり喰らわしちまって」
ごめんなせえ。
ありゃありゃ。可愛い…。
日頃の傍若無人さが売りの沖田君とは思えない。
いや、俺そんな奔放な沖田君も好きなんだけど、今日の沖田君は妙に頼りなげで思わず手をさしのべたくなっちまう。
困ったなあ。ただでさえ…。
「いや、いいよ、どうせ明日っから連休っしょ。仕事入ってねえし、予定もねえし」
「予定ねえんですかい?」
「悪かったねえー。寂しい中年で」
そういって頭を掻くと沖田君がやっと笑った。
せっかくの連休。
ホントはこの子誘ってどっか遊び行きたいと思ってたところだ。
って俺の完全な片思いなんだけどね。
さて、この状況どうしたらいいのか?
とりあえず身の危険はなさそうだけど。
周囲を検分しながら今後の動きを考えていると。