沖田総受2

□次の朝にはB(完結)
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残暑厳しい中、日中の警邏から戻って隊服のまま夕飯をかっくらい、食後の一服を楽しんでいると…。


「副長もいかがですか?」
そういって山崎から出された高級そうな陶器の小せえカップ。

「ほら、この間のお騒がせ女子高生の親御さんからですよ。ご迷惑かけたお詫びに屯所の皆さんへって。」
官僚の娘が帰ってこない。行方不明だなんだと大騒ぎする親を尻目に娘は男んちで酔っぱらって前後不覚になってたお騒がせもいいとこの事件だ。

おかげで深夜たたき起こされてあちこち捜索にかり出された俺たちはホント良い迷惑だった。

「なんだ?」
「有名パティシエの店ですよ。どっさり持ってきてますから、副長もお一つどうぞ。」
「男所帯に菓子折りもってくんのってどうなんだ?酒でももってこい」
そういいながらも一つ手にとる。

正直甘めえもんは苦手だ。
しかし今日は疲れているのか妙に食べてみたくなった。
「これもらうわ。」
そういうと案の定
「めずらしいですねえー。」
なんて言われる。

カップについていた木でできた小せえ匙で上のクリームを掬って舌に乗せてみる。
「げ、甘めえ。」
「副長普段こういうの食べないですもんねえ」
なんて会話を交わしているとふらりと総悟がやってきた。

「あれ?なに食ってるんでい。」
「あ、沖田さんも食べますか。いただきものなんですが。冷蔵庫にどっさりあるんで持ってきますよ。」

総悟は山崎のもっている陶器をのぞき込んで
「あー俺、プリンにカスタードと生クリームのコンビってなんかあんますきじゃねえんだよ。」
なんて残念そうに眉を寄せた。
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