沖田総受2
□噂の二人(完結)
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10月―衣替えの季節。
良い天気だ。
秋晴れの空を俺は見上げて目を細めた。
屯所でも今日は下っ端の若い隊士たち総出で冬物の布団を布団部屋からひっぱりだしていた。
日当たりのいい部屋の縁側にずらりとならべて湿気を払う。
俺は一応指示して布団を隊ごとにわけていったりもする役目だ。
そろそろ夜さむくなってきたもんなー
そう思いながら皆で布団をはたいていると、あちらこちらでプロレスもどき…
これってあの泣く子も黙る真撰組か…。思わず笑ってしまう。
でも、確かにずらりと布団が並んでいるとなんかでんぐり返しとかバック転とかしてみたくなるなあ…
そう思いながらせっせと布団を運ばせていると…
「ザキ、ばたばたなにしてんでい。」
まだ単のままで、目を擦りながら沖田さんがやってきた。
「え、今起きたんですか?」
もう昼すぎなんだけど、その寝ぼけた顔。
…相変わらずかわいいっ。
「だって俺今日一日非番だもん。朝寝したら飯食いそびれちまった。」
寝過ぎでだりーとあくびする沖田さん。
また昨日遅くまでゲームでもしてたんでしょ。
…恋人の俺、ほっといて…。
心の中でちょっと恨み言をいってそれからナイスアイデアに飛び上がる。
「じゃあ、ご飯たべいきましょう。お昼。俺も今日、これ干したら特に急ぎの仕事ありませんから。」
デートだ。デート!
「すぐこれ片しちゃいますから!」
「お前こんなことまで指示してんのねー母ちゃんか…」
沖田さんはそんな俺の誘いに曖昧にうなずいて、いきなり勢いよく布団の山にダイブした。