沖田総受1

□君のHappy Birthday(完結)
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やったあ!
そのとき座敷はピンク色のオーラに包まれた。そうこなくっちゃ。グッジョブ局長!ナイス誘い!
一人近藤だけが状況がわかっておらず
「おー総悟ならかっわいいぞー」とまたまた皆の心の声を素直に代弁した。

「へへっ足がすーすーしまさあ」
スカートをはいてから下のズボンをさげる。ちらっとめくれたその中を見ろうと隊員達が思わず前屈みになる。

「お、沖田さん!いけません!」
畳にはいずって山崎が来た。お前邪魔!一同心の声。
「セーラー着るならこれを!」
はったまま高くさしあげられた手にはなつかしの白ルーズソックス。
「流行が廃れても俺はルーズです!喜国●彦さんは心の友です!」
ぐっじょぶ!山崎!一同の心がひとつになった。

「へー面白い。これがルーズかあ。」
沖田は体育すわりでルーズをはく。な、なにこの夢みたいな情景。
がばっと隊服のシャツを脱いで、華奢な白い肌が一瞬見えた。すぐさまセーラーを頭からかぶる沖田。

…あ、隊長のち、乳首。見えた。
だれかのうわずったつぶやきが聞こえた。
とたん壁側からごほんと咳払い。振り返らなくてもわかる副長の黒いオーラ。

…皆に見せるのが嫌ならならとめりゃあいいのに。副長だって沖田さんのセーラーがみてえんだぜ。
誰もが思うがもちろん口には出せない。

スカーフを調えていた沖田が立ち上がって
「似合う?」とくるりんと回った。紺のひだスカートがふわりと舞ってルーズに包まれたすんなりとした細くて白い足に一同釘付けだ。

…似合う!!

かつて真撰組の心がこれほどひとつになったことがあろうか。
白地に紺のラインのはいったセーラーに臙脂のスカーフの古典的な純情可憐なデザイン。本当に沖田に似合っていた。思わずごくっと唾を飲み込むもの、心のデジカメの画素数をあげて必死に記憶に焼き付けるもの。その中で勇者の山崎が追いすがる。

「お、沖田さん!耳に髪をかけてください!こ、この髪留めを!」
必死にかかげた手にはかわいいリボンの意匠のついた髪留め。
沖田は不精ですこし長めになっていた髪を人差し指ですくいあげて耳にかける。髪留めをぱちんと耳のよこでとめてから小首をかしげて大きな目をぱちくりとひらいて聞いた。

「こう?」
「め、めちゃくちゃいいですぅぅぅ!!」
「お前うるせぇ」
息を荒くして沖田の生足にすがりつく山崎の腹に容赦ない蹴りをいれて沖田が言い放つ。
「はぅ!」沖田のルーズを履いた足に蹴りを入れられ妙に嬉しそうに山崎が呻いた。

「どうですかい。土方さん。少しはほめたらどうですかいー」
酔いに座った目で沖田は壁にもたれた土方へセーラーのまま這っていく。

あ、あ、スカートの中みえそう。一部の隊員がテーブルの下の乾き物を取るふりをして四つんばいになった沖田の背後に回ったが土方の視線に殺されて撤退。

「あーまあ、ましって感じ?俺のほうがかわいいかもねえ」
馬鹿にしたように煙草をくゆらせて土方がにやりと笑う。
・・いや、絶対あんたはかわいくないから。またしても皆の心の声がひとつになった。

「ちょっとむかつくんですけど・・・」
沖田はとろんとした目でにらむとセーラーのまま土方の膝にころんと横になって「ねみー」と呟いた。長いまつげが閉じて頬がほんのり桜色。薄く開いた紅色の唇から清潔そうな白い歯列がちらりとのぞく。

沖田の艶姿にごくっと喉を鳴らす一同をみて、土方が言った。
「こいつ眠そうだから、もう部屋つれていくわ」
そしてよいしょと沖田を抱え起こす。
「ほら、総悟、部屋いくぞ」
「んー」
眠そうにごしごしと目をこする姿があどけなくって逆に色気を感じる。
そして各自の心象風景に浮かぶ太字のゴチック文字。

副長ずりいいよ!!

「お、それがいいかもな。今日は忙しかったな」
何も考えてない近藤がにこにこと相槌をうって、「早く寝ろよ」とぐったりと土方にもたれた沖田に声を掛けた。

・・・絶対沖田さん、この後寝られないですからね!夜通し起こされてますよ!エロ副長がいるかぎり!

隊員達の心の声を知ってかしらずか、
「んじゃあな、皆も早く寝ろよ。」
と土方の黒い笑み。

・・・こいつは俺のもんだァ。
見せつけるように沖田のセーラーの腰に手をまわし、「ほら、総悟、そこまで飲むヤツがあるか、」と親切ごかしてささやいた。


「じゃあな、」
すぱんと障子が閉められて、誕生会はお仕舞い。

あとに残ったものは身の程にあわせて沖田のセーラをみることが出来ただけでも幸福と思うか、その先がある土方に嫉妬の炎を燃やすか、それはそれなりに。




君のHappy Birthday。




土沖エロ編に続く。
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