沖田総受1

□夏出水(完結)
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俺の部屋につくと沖田さんは勝手知ったる他人の部屋ってことでごぞごそあさってゲーム機を取り出だしてきた。

「あ、沖田さんがいってたヤツ、買いましたよ。おもしろそうだったから。」
「まじ?やったね!それしようぜぃ。」
嬉しそうな沖田さんの顔。ホントはゲーム興味あんまりないんですけどね、ついついこの顔をみたくて買ってしまう。因果な俺。

でもこの奔放でドSな一番隊隊長は傍若無人なように見えて、意外と人には甘えてくれない。だから俺にこうやってわがままいってくれるのは俺にとって震えるほど嬉しいことだ。パシリでもなんだってしてしまう。

ま、主に副長が出かけた日だけなんだけど。

しばらく対戦を楽しんでいると沖田さんが
「ザキなんかないの?ポテチ的な」なんてくりっとした目でみあげてきた。

「ありますよ。コンソメ?のり塩?」
どっちも沖田さんの好みだ。
「コンソメ!」
嬉しそうにいう沖田さん、かわいいなー。子供みたいだ。って子供なんですよね。この人。年齢的には。

ポテチには麦茶だろーという沖田さんに「あんまり夜食べて次の日胸が焼けても知りませんからね。」といって麦茶をとりに立つ。
あの鬼気迫る剣をふるう切り込み隊長の迫力はどこへやら、「目、疲れたぃ」とごろんと畳に横になる沖田さんの華奢な背中を見ながらふと思う。

この人は副長の前ではどんな感じなんだろうか。
いじっぱりなこの人はやっぱりとんがって突っかかってばかりいるんだろうか。それとも二人きりになればこんな姿を見せて甘える時もあるんだろうか。
武州からのつきあいだ。気心もしれている。ホントなら俺じゃなくて副長に甘えたいだろうに。
沖田さんが副長に甘える姿を想像してちりっと胸が痛んだ。
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