沖田総受1

□何度でもはじめから(完結)
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沖田君に連絡を取る勇気がなくて、ぶらぶらと真撰組見回りルートを歩いてみる。

お前は何者だって不審者に思われるほどぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶら・・・歩き回って、昼過ぎにやっと山崎にであった。

「ジミー!」
「誰がジミーですか!」
ヤツがこんなに光り輝いてみえたのは初めてだ。


「あのさ、沖田君どうしてる?」
うわ。さりげなく聞こうとしたのに単刀直入。俺ってこんなに腹芸のできないやつだっけ?

ジミーは焦る俺に頓着なく
「沖田さんなら今日は寝てますよ。非番じゃなけどなんだか具合がわるいらしくて」
と返す。

どきりと胸の動悸がした。



『・・・やっい、痛いっだんなやめてくだせ・・・!いやでさ!』
俺からのがれようとあがいてずり上がり、俺に腰を持たれて引き戻された。そのまま腰を固定されずくりと奥まで刺しぬかれて泣く姿がフラッシュバックのように蘇った。



「・・・具合悪いの?」
「そうですよ。珍しくさぼりじゃないみたいで、副長も心配してます。もうすぐ沖田さん誕生日だってのについてないですね。」

誕生日。

キーワードで思い出した。昨日の沖田君との会話。

「誕生日、多串くんと一緒に大原いくんだっけ・・・?」
俺の低い声がジミーに問うのを他人事のように聞いていた。
「あれ?よく知ってますね。夏の温泉宿も乙じゃないかと結構楽しみにしてるみたいです。」
まあ、それくらいまでには治ってるとは思いますけどね。ちょと旦那きいてますか?
ジミーがあれこれしゃべるのに軽く手を挙げて俺は立ち去った。


・・・思い出した。

昨日の沖田君。

誕生日の話になった。もうすぐでさ。とちょっと嬉しそうに語る沖田君にお祝いをしたくて予定を聞いたんだ。そしたら土方のヤツと温泉宿でかけることをあっさり白状した。
二人で誕生日にでかける泊まりがけの温泉宿・・・。

『男同士だって恋人しかそんなことしないんじゃねえ?』気を取り直して言うと
『そうですねえ。…恋人同士しかしねえですね。』なんて少し頬を赤らめてた。


手を出すのは簡単だ。警戒心のかけらもないそういう方面にはまったく初心な子だ。誘い込んで一服でももれば、言葉巧みに快楽で陥落させれば、そう考えたことも確かに何度もある。
でも純情無垢でまっすぐな沖田君には手が出せなかった。そういう彼を守ってきたつもりだった。

しかし土方のヤローがいつのまにかかっさらっていたんだ。
気付かなかった俺の間抜けさに思わず自嘲した。土方も俺と同じでこいつには手がだせないだろうとなぜか安心しきってた。先手うたれちまってた。


そこからは・・・記憶の通りだ。

土方とのことを俺にあっさり言える沖田君をうらめしくおもいつつ、体だけでももらおうと割り切った。




莫迦だな・・・。
もうあの子は俺を許さないだろう。




ふと心の隅で俺が嗤う。
許されないのなら、いっそ憎まれながら体をもらおうか。
無関心より憎悪のほうがいい。
俺の刻印を隅々まで押しつけつづけたらいつかあの子の心も手にはいるかもしれない。





俺は頭を振って暗い考えを振り払った。
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