沖田総受2

□一番隊隊士日記(完結)
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朝の食事のあと、隊士達が集められた。

本日夜、急遽捕り物が行われる。幕府の要人暗殺をねらう過激攘夷志士の情報を得て今夜会合の行われる旅館にふみこむんだ。

「一番隊は正面から。三番と四番はそれぞれ東と西の裏口にまわれ。相手は過激派だ。どんなエモノを潜めてるかわからねえ。幹部以外の抵抗するものは容赦なく切れ。あとは」

副長が相変わらずの迫力で皆に命令を下していく。

この人の采配は天才的だ。俺たちの命を預けるのに値する人だ。本当にそう思う。このカリスマ性がある意味真撰組を作っているといっても過言じゃない。

俺は真面目な顔で幹部席にすわっている隊長を見た。

・・・やっぱ、こういう所、隊長は副長を尊敬してるのかな。そうだろうな。まあ、尊敬するわな。ああ、かなわない。

い、いや、別に何を勝負してるわけじゃないけど!
慌てて自分にいいわけする。



そのあと一番隊は隊長のもとに集められた。隊長は旅館の見取り図をひらき、あくまでも淡々と指示を落としていく。

「てことでぃ。お前たち三人はこっちからいけ。俺と神山で最初に踏み込むからあとの奴らは」

俺ですか!?俺の名前を呼ばれてどきりとした。
沖田隊長と一緒に切り込めるなんて!光栄ですぅ!隊長!

「神山。」
「は、はいい!」
必要以上に声が裏返った俺に隊長はにっとわらう。あ、そんな顔も可愛い・・・。

「大丈夫だな。」
「はい!!」
「んじゃ、解散!」
三々五々散っていく一番隊隊士達には続かず、俺はなんとなくその場に残った。

隊長の横にぼんやり立っていると
「ん?どうしたんでい?」
隊長はすわったまま俺を見上げて言う。この角度・・・。おっきなおめめがこぼれ落ちそう。

「なんか用か?」
「いえ!あ、あのっどうされたんっすかっ?」
だめだ。隊長に声かけられるとどうしても声がうらがえってしまう。

隊長は隊服のベストの胸元をいじりつつ
「あーなんかボタンが四つも取れそうで。さすがに悪りいよなこれ。」と言った。
・・・ど、どうしたらボタン四つもブラブラなるのか・・・。

「ま、いいや。ザキ帰ってきたらさせよう。」
「お、俺します!!」
「お前できんの?」
「はい!!待っててください!!」

慌てて裁縫箱をとりに部屋に戻る。真撰組は男所帯で基本自分のことは自分ですることになっているから、俺だってボタン付け替えくらいは出来る!やった!!
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