ビバ!リレー小説★
□Can do it for you
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「ま…待ってよジュンス…」
僕の腕を掴んだ反対側の手にした吸入器を見せてユチョンは笑ってみせた。
「だい・・・じょぶっ」
「でも」
「居てっ?」
眉間に皺を寄せて苦しそうなのに、それでも笑ってみせるユチョンに僕は泣きそうになる。
額にかかる髪を掻き避けるとじっとりと嫌な汗をかいていた。
「ユチョン、無理しないで?」
苦しそうなユチョンに何をしてあげたらいいのかも分からずに、ただうろたえる事しかできなくって、無意識にユチョンの呼吸に合わせて自分も息をしていると、苦しくってユチョンはもっと苦しいんだと思うと気が気じゃなかった。
ユチョンは大丈夫って言うけど、ちっとも治まらなさそうで、心配で心配でどうにかなってしまいそうだった。
ふわりとユチョンが額を僕の肩に乗せた。
「ユチョン?」
「このっ・・・ままっ・・・」
「う、うん。ねっ、僕どうしたらいい?ただ傍に居るだけでいいの?そんなのやだよ」
ただ見てるだけなんて…
オロオロしてる僕の手を握って無言でユチョンが訴えてくる。
「ねぇ言って?どうしたらいいの?どうして欲しいの?辛くて見ていられないんだよ…」
気がつけば目には涙が溜まりユチョンの顔が滲んで見えた。
「…泣かないで…ねぇ…ジュンス…ゲホッ・・大丈夫だから…」
苦しんでるくせに、僕の心配をするユチョン・・・。
そんなユチョンを堪らず抱きしめた。
そうしてそのまま苦しそうなユチョンの口を塞ぎ酸素を送り込む。
「…っ…ふぅ…ね、どう?こんなんじゃ楽にはならない…よね」
思いつく限りでユチョンを助けたくて馬鹿みたいだけど何もしないでなんていれなかったんだ。
「…ジュン…ス…今…キスして…くれたの?」
「あ///キスっていうか酸素を///」
変な言い訳だけどそう見えたかな…
ユチョンの頬が少し赤くなってる?
ユチョンが辛いのにこんなこと考えるなんていけないよね。
自分が疚しく思えてユチョンから目を逸らした。
少しでもユチョンが楽になれるように背中を呼吸に合わせて擦ってやる。
Tシャツを通して伝わるユチョンの熱が思った以上に熱くて、僕は驚いてユチョンの両肩をそっと押して顔を覗き込んだ。
相変わらず苦しそうだけど・・・
額に手を宛ててみる。
・・・熱い。
「ユチョン、熱まで出てきたじゃんかっ!」
くったりしたユチョンを慌てて抱き抱えてベッドに寝かして、僕は誰かを呼びに行こうとした。
「いかっ・・・ないでっ・・・」
僕の腕を握って、<大丈夫>を繰り返すユチョン。
僕だって心配で離れたくないけど・・・
両手で頬を包み込んで、僕は出来る限り安心するように微笑みかけた。
「大丈夫。すぐ戻るから。」