ネタ帳
□寒い日の過ごし方(和×啓)
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「啓太、寒くないか?」
「ん…大丈夫」
まさかこんなにも冷えるなんて思わなくて、何も防寒着を持って来なかった啓太に。
その辺は抜かりなく用意している和希がマフラーを巻いてくれた。ただし、それは和希も使っていて。
こんな使い方……普通しないよ。
でも見上げた和希の目が優しくて、嬉しそうだったから。
「遠慮するなよ、ほら…こんなに冷たくなってるじゃないか」
暖かな和希の手でふわりと頬を包まれて、啓太は頬を赤く染めた。
「こんな所で…恥ずかしい、だろ…」
人だっていつ来るか分からない大通りだ。男二人でマフラー巻いて、こんなにくっ付いて。
恥ずかしくない訳がない。
「じゃあ、啓太があったかくなるまで……な?」
でも好きな人の温もりを感じられて、喜んでいる自分がいるから。
寒さのせいにして。少しだけ自分の気持ちに素直になって、和希にすり寄った。
「ちょっとだけ……だから、な」
こんな風に過ごせるのなら、こんな寒い日もたまにはいいかな……。
【おしまい】