BL小説
□バレンタイン
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「小鉄さん!」
着替えを済まし、更衣室から出る用意をしていると声をかけられた。
にこにこと笑いながら近付いてくる彼は恐ろしく感じられ、思わず後退りをした。
「な……なんだ」
「今日何日か知ってる?」
口角をあげて怪しい笑いを見せる。
知らない、と言い視線から逃れようとすると逃げ道を塞ぐ。
バレンタインっていう日なんだよ、と聞きたく無かった言葉が発せられて、催促される。
「……ねぇよ」
「そっか、じゃぁ仕方無いね」
無理だと思いつつ言った言葉に予想外な反応がかえってきて、安心したようで嫌な不安を覚えた。
恐る恐るより一層つり上げられた口から次に何が発せられるのだろうかとを見れば、ロッカーから板チョコを出して銀紙を破いた。
「さすがに買いに行くのは恥ずかしいからさ、これで許してね」
スッと口元まで近付けられ、羞恥を覚えながらパキッと音を立て、ひとカケラの甘く解けるチョコを口に含んだ。
「……さんきゅ」
時に痛くも感じる甘さが広がる。
その位だったら買うこと出来たのに悪かったなと思い口を開こうとすれば、唇が軽く触れ、温かなものが入ってきた。
絡められるうちに甘さは消え、与えられる違う甘さと漏れる息遣いに脳が溶けてく。
「っおおくち……」
絡めとられ口内を撫で、痺れてじれったく、もどかしい程に思考を奪われる。
「チョコ……今、貰いましたから」
違うまともな方法考え無かったのかよ、と言おうと思い口を開いたら遮られた。
「もっと、ください」
(2008.02.14)
R指定にするまでのレベルではないのですが一応Rにしました。物足りないものですいません。
40分でこんな稚拙な文しか書けない未熟ものですいません。