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□魔法使い(偽)
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木枯らしが身にしみる11月半ば。そんな中何をするのか。
「花火、しようと思って。」
あぁ、この天才は遂に頭がおかしくなった。
「まだ余ってたから。勿体無いだろ?」
「だからってお前…今11月だぞ。」
「夏しかしちゃいけないって訳じゃないだろ?」
「…まぁ、な。」
赤や青や黄色。様々な光が、ぱちぱちと跳ねては消えていく。線香花火のあの儚さは忘れない。
「綺麗な光。」
「あぁ。」
「届けばいいな。」
「きっと届く。」
今はまだ見習いの魔法使い。でもねでもね、いつかきっとあなたにも届く筈。
ー