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□しょうがないだろ、好きなんだから。
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微かに湿ったシーツ、香水の匂い、錯乱した服、…シャワー音。


(…明らかすぎる。)


毎度毎度の事で慣れてしまったがせめて少しは隠して欲しいものだ。


「お、帰ったか。お帰り。」

「…ただいま。」

「はっ、そんな拗ねんなって。」


そう言って後ろから動きを封じる。これもいつも通り。


「拗ねてない。片付けくらいはやれ、って言ってるだろ。」


なんで仕事から帰って人の後始末をしなきゃならない。浮気なんか別にどうでも…はよくないけど。


「…なぁ、好きって言えよ。」


耳元で囁くその声は脳にまで反響する。

「なぁ…」

「…好き、好きだよ。」

「もう一回。」

「好き。」


好きと言えば少し震える肩。満足気に微笑む顔にいつも俺はほだされる。





馬鹿みたいに。




その声はまるで媚薬


 

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