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□クチビルにキズ
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「痛っ…」
「どうした?」
「唇切れた。」
「リップは?いつも使ってんだろ?」
「無くなった。」
ネジは買いに行くか…と続けた。あ、確か俺…
「リップ持ってるけど、使うか?」
「人のリップってちょっと抵抗が…」
「いやいや、使ってないやつ。」
「え?」
「間違えて買ったリップがあんだよ。」
「へぇ。というかリップ間違うってなにを…」
ほい、と渡されたそれは一見普通のリップだ。
「普通じゃないか。」
「蓋開けてみ。」
「…パイナップル?」
「そ。甘すぎて使えねー。」
「ふーん。」
ぬりぬり。
「平気?」
「まぁ、別に…。」
5分後。
「ぅ"」
「あ?」
「舐めた…。ぅー、苦…」
後日、ネジは新しいリップを買いました。
(リップってこんな苦かったのか)
ー