満月と明星
□真実と裏切りと明星の子
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〜ミョルゾ〜
私はユーリ達から離れて一人街を見ていた
―私達は魔導器と聖核、満月の子の力の意味を知った
そして…
“満月の子の力を抑える満月の子と同じように不思議な力を持った明星の子といい者がおる”
“そやつの近くで満月の子が魔術を使ってもエアルの消費を抑えることが出来る、じゃが…”
“その度に明星の子は体力や精神を奪われ…体調が悪くなったり痛みが襲ったりするじゃろう”
―その事に覚えがある
ハルルの木の復活する瞬間、ベリウスに治癒する瞬間…どれもこれも満月の子であるエステルが力を使う時だ
『私が、明星の子…』
ー本当にそうだとしたら世界を護る為にも、私はエステルの傍にいなくちゃいけない
離れてしまえばエアルクレーネが活動を強め、災厄が再び訪れる事になる
だけど…
『怖いよユーリ…皆…』
エステルが力を使う度に来る頭痛や痛み耐えなければならない恐怖に自身を抱える
『(エステルの事は大好きなのに、ずっと一緒にいたいのに…私は……)』
恐怖と障害無しでは友達の傍にいれない運命に涙を流した
―ユーリ、皆…っ、私はどうしたらいいの…?
「止めて下さい!!」
『っ!!?』
突然、想っていた仲間の悲鳴のような声が聴こえた
『(今のは…っ)エス、テル…?』
私は嫌な予感がして声のした方へ風の如く走った