狼×私SS

□第二話
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―朝食を食べ終えた美希亜は奏朶と一緒に0号室に戻っていた

『(卍里、カルタちゃんにちゃんと言えたかなぁ)』

あれからすぐにカルタがラウンジに入って来たので、美希亜は二人にさせようと思ってラウンジを後にしたのだ

離れた所で食事をしていた奏朶も何も言わずに着いて来て一緒にいる


『(それにしても、何時行ったらいいんだろ?。時間聞けなかったし…)』

“後で君のお気に入りの場所で話そうね♪”

『(夏目さんはそれしか言っていなかったし…)』

必死に夏目が耳打ちした言葉を思い出す美希亜

しかし、何度思い返しても待ち合わせ時間が出て来る事がなく美希亜はため息をついた


「…兎に何を言われた?」

その様子をエレベーターの壁にもたれて腕組みしながら見ていた奏朶が聞いてきた


『えっ、もしかして聞いてたの?』

「そこだけ聞こえなかったから聞いている」

『あ、そっか(汗)』

“狼”の先祖返りである奏朶は聴覚が凄くいいので、離れていても意識すれば大抵聞こえる力を持っている

そのせいか寝ていても気配に慣れている美希亜以外が近寄ると熟睡していても目を覚ます敏感な所もある


『大した事じゃないよ。でも、強いて言うなら…』

「(お前の大した事ないは信用できないんだが…)何だ?」

『男の修行の準備ってどれくらい掛かるのかな?』

真面目な顔で奏朶の答えを待つ美希亜


「…知るか。お坊さんにでも聞いて来い」

短い時間でなんとなく何かを悟り、不機嫌になりながら言った奏朶


『お坊さんって…(汗)』

結局奏朶の答えはそれだけで、どうしようか悩む美希亜
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