狼×私SS
□第三話
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―夏目と渡狸が妖館を出た夜のラウンジ
妖館にいる先祖返り皆が集まっていた
「本当に行っちゃったわね」
金髪に眼鏡を掛けた3号室のSSの“雪小路野ばら”が呆れて言った
「二人、いないの淋しい…」
棒付きキャンディを舐めながら淋しそうにするカルタ
「そうだよなぁ、あの二人がいないと静かなもんだな…」
いつもと違うラウンジの空気に違和感を隠せない3号室の住人“反ノ塚連勝”
見た目はおじさんだが美希亜と同じ17才である
『うん…淋しいね』
美希亜はココアの入ったカップを両手で持って水面を見て呟いた
「みのちゃんは夏目いなくて淋しい?」
美希亜の隣に座っていたカルタが唐突すぎる質問をしてきた
『へっ?、カルタちゃん?』
「私が渡狸と話してる時、みのちゃんと夏目が話してるのよく見かけるから」
『う、うん…淋しいよ…此処に来てから毎日会ってたから』
“初めて会った時も、今みたいに接してくれて
笑顔をくれた…”
「そういやよく話してたなー。抱きつかれながら」
「男が女の子に抱きつくなんて相当の変態よ。美希亜ちゃん気を付けるのよ」
『えと……(夏目さんが変態扱いされてる)』
野ばらの言葉に複雑な気持ちになる美希亜
「あー、野ばらちゃん、美希亜が返す言葉に困っとるよ」
それに気づいた反ノ塚がすかさずフォローしてくれた
「ごめんなさい美希亜ちゃん!、困らせる為に言った訳じゃないのよ…あぁでもその顔メニアック!」
『めにあっく…?』
野ばらの興奮しながらの言葉に余計複雑になる美希亜