狼×私SS

□第四話
1ページ/6ページ

“幸せな家庭ね、美希亜ちゃん

いつも大切にされて

欲しい物は何でも手に入って”

そう言ったのは小学校の担任の先生


『…う…やっ……』


『(違う、こんな幸せなんかいらない!、私が欲しいのは…)』

“ママ、大好き!”

『……』

公園で小さな子どもが母親に抱きつく姿を見た幼い美希亜


『(守られないで生きていける普通の自分と愛がある家庭…)』


―欲しかった

先祖返りではなく夢神詩 美希亜としての存在を認めてくれる居場所が欲しかった…


だけど、その欲望が悲劇を起こしてしまった

取り返しのつかない事をしてしまった…


“許さない…

アンタさえいなければ!

アンタさえ…!”

怒りと憎しみに満ちた女性が私に言った


『っ!!?』

ガバッ!

勢いよく飛び起きた美希亜


『ハァ…ハァ…(また、あの夢…)』

美希亜はベッドの上で小さく疼くまった


“自分が何をしたか分かっているのか?!

ねぇ知ってる?、アイツの親戚が……らしいぜ

えー、マジで、呪われそうだなー”

耳を塞いでも聴こえてくる闇の声


『やめっ…』

“先祖返りがくだらない理想を求めないで!”

『ヤめてーー!』

美希亜は悲鳴のような声で叫んだ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ