白春×機関銃

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「…い、……い」

『ハッ!、すすす、すみませんでしたぁ!!』


緑先生の声に正気を取り戻した私は勢いよく頭を下げて謝った


「いや、もう翔君達行っちゃったんだけど」


私の声に驚き引きぎみにそう教えてくれた緑先生


『え…っ!?、あ、いや…、お母さんにも謝らなければ…』

「大丈夫だよ、お母さんは勝手に何処かに行った翔君が悪いって言ってたから」



“すみません、看護師さんとがぶつかった拍子に怪我したみたいで”

“いえいえっ、そんな、廊下を走ったこの子が悪いんです。翔、誤りなさい”

“ご、ごめんなさーい”



『(私が放心状態の中、そんなに会話してたんですか)』


声には出していないが表情でそう訴える私に緑先生は優しく微笑んだ


「見ない顔だけど君は新人さんかな?」

『あ、はい…、坂本美緒です』

「そこにあるカルテを届けに来てくれたんだよね」


そこを指差す緑先生


『あ…っ、すみません!、大事なカルテを…』


私はカルテを取りに行き、緑先生に渡した


「気にしないで。届けてくれてありがとう…」


そう言った緑先生は私の耳元に近付き…


「ーー…、…ちゃん」

『え…』

「それじゃあね」


カルテを持つ手を上げて去っていく緑先生を眺めながら、私はさっき言われた言葉と一瞬だけ見えた恐ろしい緑先生の顔を頭の中で再生した



“イチゴの下着の美緒ちゃん”


『っ〜…!!?////』


この時私は“完璧な笑顔を持つ人ほど腹黒い”という法則という名のトラウマを手にいれた





ーー




「どうしたんスか?、緑さん」

「んん?、何がかな?」


美緒から受け取ったカルテを目に通しながら研修医の“藤本 高虎”に応える緑先生


「いや、何だかとても楽しそうにしてますから、何かいいことでもあったのかなと」

「そうだねぇ…」


カルテから目を放して藤本に目を向けながら眼鏡を下にずらし…


「内緒」


と子どもに言うように人差し指を口元に当て、ウインクして呟いた


「(緑さんーーー!!)////」


声には出さず興奮する藤本を放って緑先生は怪しい笑みを浮かべた



ー正宗と会えなくなって退屈してたら

良い玩具が見つかったなぁ…




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