はつ恋
□第2章
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「……夜が明けたわね」
パソコンに向き合っていて気がつかなった。
懐かしい思い出ね、今さら過去に戻ったってしょうがないのに……。
高校を卒業すると、私は大学を蹴って専門学校に入学した。
後悔なんてしなかった。
それにする暇さえ、与えてくれなかった。
『菜月のためだもの、こんなの苦じゃない』
それがいつの間にか、口癖になっていた。
「……シャワー、浴びないと」
そう、昨日からずっとパソコンと向き合っていた。
お風呂なんて入っている余裕はない。
なら、せめてシャワーだけは浴びたい。
着替えの洋服を持って、シャワーを浴びて上がる。
今の私の恰好は胸にクローバーのワンポイントが入った袖なしと、短パンをはいている格好だった。
「……起きたの?」