はつ恋
□第3章
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生徒会の役員任期が終わりに近づいた頃、五十嵐君と二人で仕事をすることを避けていた。
いつも放課後は残って仕事をしていたけど、
志保と一緒に帰ると言って避けていた。
たぶん、怖かったんだと思う。
友人を失うことも
今までの関係を壊すことも
「じゃあ、金曜日生徒会室の掃除忘れるなよ」
五十嵐くんが定例会で発言した言葉は、志保が食いついた。
「五十嵐、悪いけどその恒例抜けていいかしら?」
「理由は?」
「恋人と映画観る予定よ」
とうの彼氏は涼しい顔で、英語の課題を進めている。
信じられない。
普通、志保に参戦するでしょ。
「……瀬野、お前の意見は?」
「恒例なら仕方ない」
「…以上で定例会終わり」