はつ恋
□最終章
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「……じゃあ、後はお願いね。菜月」
「まかせといてよ、いってらっしゃい」
こんな早くに菜月を起こして悪いと思うけど、この家の家事を今ではきちんと出来るようになった我が子に頼んだ方がいいと判断した。
お酒の飲みすぎでぶっ倒れた友人が原因なんだけどね。
「あ、あずささん。おはようございます」
「おはよう。凛ちゃん」
お隣が同い年の子とは安心。
去年なんて、色々けち付けるおばさんだったから大変だったな。
「あの、昨日の方たちは?」
「菜月にまかせた」
そういうと凛ちゃんは驚いた顔をする。
おいおい、凛ちゃんよ。菜月だったら大丈夫でしょ。
ある意味、そこらへんにいる大人より役に立つわよ。
「周りにいる大人として言わせてください」
「菜月さん、子供らしくないですよ」
うう、いたところを相変わらず突くな。
私だってわかってんだから。
「こないだ、入社する前に会社に挨拶しに行った時に言われたんですよ。この子、小学校でやっていけるのか不安だと」
ああ、わかってる。わかってますよ。
でも、事情が事情だったんだもん。