偶然と必然
□SEASON1
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高校生活の中で一番思い出に残るとかいう修学旅行が終わった。
正直言って、大変だった。
日向森学園の特進科に通う俺が行く先はイギリス。
正直言ってもう何度目だと思ってんだぐらいの勢いだったが、あの婆(学年主任)何でイギリス好きすぎなんだよ。
あの婆はホームズの嫁になりたかったのか?
でもあの婆の夫はもう数年前に亡くなっていたような……。
「……?」
雨が降っていると言うのに傘もささず、駅前の噴水の手前でセーラー服の少女が暗い上の空を見ている。
肩まである黒い髪、視力が2.0まであるせいか顔はそれなりの美人。
いや、美人というより子供であることが抜けていない少女。
この言葉がふさわしい。
「体、売れば楽かな……」
って追いつめられてるのかー。
あの少女は一体……何者なんだ。
っうか中学生が体なんて大切なもの売っちゃだめだろう。
「……だから、お金なんかあるわけないでしょ。ヤメテくれませんか。いたいけな女子高生を追いかけまわるのは」
少女の声は凛としていて、周りの大人は避けて行く。
これが普通の世の中で、悲しいが現実だ。
俺だって避け
「そこら辺にいるお金持ちにでも請求しなさいよ」
られるかー。
金持ちだってな、税金とか面倒なことが多いんだよ。
「そこのオッサン方。俺の妹に手を出さないでくれる?」