はつ恋
□1.5章
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*生徒会に入った理由*
:姫宮志保の場合:
……そもそもの原因は何だったのだろう?
考えたってわからないけど、
とにかく根源は4月のあのふざけた行事ね。
日向森学園に入学して2年目の春、あずさと共にあのふざけた行事に参加するはめになった。
理由は私の外見。
あまりいい思い出はないけど……ひとつだけあるけど、とりあえず私自身は大人になったら髪を染めてやると言っていたくらい。
栗色の長い髪、大きな瞳と二重まぶた、鼻は高くなく、背もそこまで高くも低くもない。胸もスタンダードで、モデルのような身体だとあずさは言う。
しかし、中身は違うものだと付き合っていた男子どもや男友だちは言う。
……この外見が4月のあのふざけた行事が関係している。
見事に……優勝してしまった。
4月の行事『ミスコン』
日向森学園のふざけた決まりがあった。
「普通科の姫は生徒会に入るのが決まりだから」
「……私、姫宮ですから」
棗さんにそう言い返した時は笑われていた。
棗さんの説明を聞いても、やりたくないと言った。
もちろん、お互い譲らずに数週間が過ぎた。
「……へぇ〜、役員になるわけか。面白そうだな」
「あら、だったら貴方も入ってみたら」
「よし、姫も役員をやれよ。
俺も入るんだからよ」
……単純だった。
瀬野の一言があっさりと、
私と棗さんの譲り合いは終わったのであった。