Memoria
□45:日輪の一撃
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「立てコラ!!!」
聞こえてきた声は、あまりにも幼い声をしていた。
紅葉はそちらへ視線をそらした。
そこにいたのは、アルコバレーノの一人で青色のおしゃぶりを持つコロネロだった。
ペットである鳥に捕まって登場した彼はもうサングラスをつけていた。
「コロネロが何やってんの?」
「考えられるとすれば…笹川了平をトレーニングしたのがコロネロだったということだ」
葉夜は飛んできたコロネロを眺めながら呟くように聞いた。
それに静かに答えた紅葉は顔をしかめた。
ひとつ状況が変わった。
コロネロが、アルコバレーノがこの1週間本気で鍛えたのならば、話が変わってくる。
ルッスーリアの実力はわかっている。
それでも、何かが変わった。
(それであっても、ルッスーリアの勝利は変わらない…と言いたいがな)
「そろそろ頃合だぜ。
お前の本当の力を見せてやれ、了平!!」
コロネロの言葉にルッスーリアが笑みを浮かべる。
そして、「今更」と言葉をつないだ。
「今更、誰が何を言ってもムダよ。
この子はもう終わりvいただくわv」
ルッスーリアの言葉を聴いた了平がゆっくりと腕を持ち上げた。
息も苦しく、呼吸も辛そうだったが了平は笑みを浮かべた。
「その言葉を待っていたぞ!!!」
やっぱり、何かが変わる。
紅葉はため息混じりにサングラスをかけなおした。
45:日輪の一撃
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