短い夢たち
□わたあめ
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「わたあめ、ですか?」
『えぇ、現世の甘味ですけど鬼灯様は食べたことあります?好きそうですけど』
お昼休憩時まで書類とにらめっこしている鬼灯様が、気晴らしにしお喋りがしたいなんておっしゃるから鬼灯様が好きそうなものの話をふってみましたが…
残念。ご存知ないみたい。
「包装された状態のものは視察のときによく見かけますよ。実物はまだですね」
『あら、次の視察はいつですの?召し上がったほうがいいと思いますの』
「生憎どこぞの阿呆大王が仕事を貯めてくれたおかげでお盆に亡者をつれもどす以外に行けそうにないです。あなたがそんなに絶賛するのだからおいしいんでしょうね」
『なら丁度明日は私お休みを頂いておりまして、お香様と現世にいく予定ですの。お祭りがやっていたら買ってきますわ』
「そう都合よくやってないと思いますけどね」
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