中ぐらいの夢たち
□YELL
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「今から忍足の送別会を開始する!お前ら、全力で忍足に最後の思い出をつくらせろ!」
跡部、レギュラーしかいないのに元気やなぁ。
―――――最後の思い出を、作る
この3年間いろいろあったなぁ。
入学してきて、式に間に合わんくて、跡部と勝負。
あの日のかり、返しそびれたわ。
思い出はたくさん、たくさんあったんや。
この3年間、ずっと、ずっと……
「忍足さん」
「なんや日吉か」
ガヤガヤしてるのが苦手な日吉や、きっと皮肉でもいいに「いつ、夢のこと決めたんですか?」ぇ……?
「日吉、自分そんなことに興味あるんか?」
「はい」
「………関東大会で負けたときあたりや」
「そうですか」
「なんや、自分。聞いてきたくせに冷たいなぁ」
「いえ、秋ぐらいから様子が変だと思ってたんで」
「日吉………」
「まぁ、忍足さんが変なのはいつものことですけどね」
「ふっ……冗談きついわー」
日吉、気づいてたんか。
きっとさっきの冗談は日吉なりの気づかいかなんかなんやろうな。
まったく……素直じゃないやっちゃなー。
日吉は直接的な交流はなかったし、毒舌家で、あまのじゃくなやっちゃったけど、頑張り屋な俺の可愛い後輩やった。
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