短い夢たち
□放課後の秘密、未来の約束
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練習しているとやっぱり音楽苦手なんだなぁ、と思う。
あ、またはずれた。
『そこはこうね、』
ポンポーン、と鍵盤を弾く。
「…フン、そんなに言うならお前やれよ」
あら、しょげた?
『んー、バス苦手なんだけど…』
でも、歌いだす。
クラスが優勝しますように、
日吉くんが上手くなりますように、
『こんな感じ?』
私が歌い終わって日吉くんをみると、かなりびっくりしている。
「…………フン、練習、続けろ」
『え?でも顔赤いよ?熱でもあるんじゃ?』
「何でもない!」
あ、照れたのか。
なんでだろう…日吉くんといると恥ずかしいけど、嬉しくて楽しい。
「なんだ?人の顔、じっと見て……」
『いっ、いや!?』
「フッ…変なやつ…」
あ、日吉くん笑った…
始めてみたかもしれない。