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□おれの、苦悩日記×白鳥隼人
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ベッドの上には布団の塊があって規則正しく上下に動いていた。
そっと布団を捲ると、
そこには俺が寝ていた。


(うそだろ…?)


「おい!起きろ名無しさん!
名無しさんてゆうか俺なんだけど…
あー、とにかく起きろ!」



今初めて声を出したけど、
やっぱり声もあいつの声で、
なんか変な感じだ。
まぁ当然か…
体がこいつのなんだし…


(つーか、全然起きねぇ〜!?)



必死で体を揺するけど、体が小さくて、力も全然入らない。



「不便だな〜おい、起きろって!!」



もう一度叫ぶと、
まつげが微かに動いて俺が目を覚ます。

「ん〜隼人?そんなに大きい声出さないで………え?誰!?今の声!」


ガバッと起き上がって、
俺の姿を見つめた。



「え?私…?
あれ〜?なんか声が変…風邪?」

「ばか言ってんじゃねーよ、まずこの姿についてコメントしろ!」

「えっと…私が私の前に…」

そう言うと、名無しさんは自分の手や足、顔を確認して…




「やだ…疲れてるのかな?もう少し寝よ…」

ってまた布団を被った。


いや、そうなるよな。
普通。
もうこんなのドラマの世界だ…まさかとは思ったがやっぱり俺の中身は名無しさんらしい。


「夢じゃねーよ、とにかく起きろ!!寝るな〜」



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