短篇U
□君と僕の歩幅
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私の一歩は貴方の半歩で、貴方の一歩は私の二歩。
私の歩いた距離は貴方が歩いた距離の半分で、貴方が歩いた距離は私が歩いた距離の二倍。
「だからきっと私は貴方に置いて行かれてしまうわ。
離れたく無くても、私達の間の距離はどんどん開いていってしまうのかしら」
君のその顔が、今にも泣き出してしまいそうだったから、僕は君を抱きしめた。
そして、君にちゃんと聞こえるように、
はっきりとした声で囁いた。
―君の隣を歩くなら、僕は君と同じ歩幅で歩くよ。
君が躓いたなら、僕が君の手を取って支えてあげる。
僕達が歩くのが道無き道なら、君の一歩より半歩多い僕の一歩で道をつくるよ。
だからね、君は心配しなくていいんだよ。
僕がずっと、君の傍に居るから。
だから君は、笑っていて―
すると君は僕の腕の中で、涙を流しながら、きらきらした笑顔になる。
それにつられて、僕も笑うんだ。
それぞれが歩くときは違う歩幅でも、
二人一緒に歩くときは、同じ歩幅でしょ?
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