短篇U

□君と僕の歩幅
1ページ/1ページ





私の一歩は貴方の半歩で、貴方の一歩は私の二歩。


私の歩いた距離は貴方が歩いた距離の半分で、貴方が歩いた距離は私が歩いた距離の二倍。





「だからきっと私は貴方に置いて行かれてしまうわ。
離れたく無くても、私達の間の距離はどんどん開いていってしまうのかしら」





君のその顔が、今にも泣き出してしまいそうだったから、僕は君を抱きしめた。


そして、君にちゃんと聞こえるように、


はっきりとした声で囁いた。





―君の隣を歩くなら、僕は君と同じ歩幅で歩くよ。


君が躓いたなら、僕が君の手を取って支えてあげる。


僕達が歩くのが道無き道なら、君の一歩より半歩多い僕の一歩で道をつくるよ。


だからね、君は心配しなくていいんだよ。


僕がずっと、君の傍に居るから。


だから君は、笑っていて―





すると君は僕の腕の中で、涙を流しながら、きらきらした笑顔になる。


それにつられて、僕も笑うんだ。









それぞれが歩くときは違う歩幅でも、




二人一緒に歩くときは、同じ歩幅でしょ?





***
ポエム的なww
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ