forbidden lover
□楽屋
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「まあ聞いちゃったもんはしょうがないじゃん。じゃ、2人がヤり終わるまでブラブラしますか」
「ゆっきー…」
けんちゃんが泣きそうな声で俺を呼んだ。
「俺、携帯も財布も服も楽屋の中にあんねん…」
そういうけんちゃんは確かに衣装のままで、何にも持ってない。
もしかして、俺にとりに行けって言ってる?
小動物の目になったけんちゃんは確かに可愛いし
お願いの1つや2つ聞いてあげたくなるけど。
「今、真っ最中だし…俺はいりたくない」
僕はきちんと拒否してみました。
さすがに乱入ってわけにはいかないしね…
そういうとけんちゃんは壁にもたれて、ずりずりと
座り込んでしまった。
「じゃ、待っとくもん…」
けんちゃんはぐすんっ…、と涙目でちょこんと角の方にたたずんでいる。
そんな顔で泣いてたら誰に何されるかわかんないし。
第一、…邪魔。
でも。なんか今日のけんちゃん可愛い。
「・・・じゃあ、ちょっと…とってきてあげるから待ってて」
俺はため息をつきながら楽屋のドアをガチャっと開けた。