復活
□日光消毒
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第一投
《恋をするなら戦うように》
「山本武、ネクタイはどうしたの?」
昼休み。すれ違い様、そう言うなりトンファーで殴りかかってくる雲雀。
「わっ、ちょっと待ってくれよ!明日はしてくるからっ!」
「それ君、昨日も聞いたよ」
「えっ、わ、わりぃ!」
ヒュン
トンファーが俺からたった数センチのところを横切る。
「あっぶねー!じゃあな、雲雀!俺5時間目音楽だから、特別棟まで行かなきゃなんねーんだ」
雲雀の攻撃をなんとか掻い潜り、そう言って廊下をダッシュ。
「廊下を走るな」
後ろから聞こえた雲雀の声に、スピードをやや上げる。
追い付かれたら殺されかねないからな。
翌日、ちゃんとネクタイをしてきた。
でも、その日は雲雀に出会わなかった。
そのまた翌日も、俺はネクタイをしてきた。
今度はすれ違っても雲雀に怒られなかった。
放課後俺は応接室に行った。
俺が部屋に入ると、顔を上げた雲雀が口の端を動かす。
例えるなら、ニヤリ。
笑った…!
「何、君?」
笑った雲雀がそう言った。
次の言葉は分かっている。
『咬み殺されに来たの?』とか、きっとそういう感じだ。