復活
□君が待っていてくれたらいいのに
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《君が待っていてくれたらいいのに》
「あっした!!」
部活の練習が終わり、挨拶をしたその勢いで顔を上げ、山本は応接室の窓を見上げた。カーテンが閉まっているが、中の電気は点いている。
「わりぃ、先帰っててくれ!」
ユニフォームから制服に着替えると、部の仲間にそう声をかけて、山本は部室から飛ぶように出ていく。
じゃぁな、という仲間の声を背中で聞きながら、野球で鍛えた駿足で、一目散に応接室を目指す。
ガラリと応接室のドアを開ける。やはり雲雀はいなかった。
最近分かったこと。雲雀は夕方遅くまで学校にいる。でも、応接室にはいない。
「いつもどこ行ってんだろうな」
ちょっと考えてみたけれど、山本には全く予想がつかなかった。
雲雀が待っていてくれたらとても嬉しいのに、と山本は思う。そんなこと万に一つもない、とも思う。