復活
□人を好きだという感情
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《人を好きだという感情》
「明けましておめでとう、雲雀!」
「明けましておめでとう」
前から約束していた、今日は二人で初詣に行く日。群れるのが嫌いな雲雀と一緒に行くから、少しだけ日にちをずらして一月三日。それでもまだまだ人は多いけれど、雲雀はいいよと言ってくれた。
おさい銭を投げて手を合わせる。お祈りする相手は神様だから、願いが神様にちゃんと届くように音を立てて拍手。
お参りが終わったら、境内の出店や楽しそうな家族連れには背を向けて、直ぐさま山本の家へ。群れの中にこれ以上いる気はない。それに、山本の家には、美味しいお寿司とおせち料理が待っている。
一階で剛に新年の挨拶をして、料理を受け取った。二人で山本の部屋へ上がる。
「寒かったな、やっぱ。今暖房入れたからちょっとだけ待って」
ジャケットを仕舞いながら山本は雲雀に笑顔で話し掛ける。
雲雀は脱いだ上着を置いて座布団の上に座った。
二人でおせち料理とお寿司を食べる。
「…美味しい」
小さく聞こえたその言葉に山本は笑みを深くする。
「良かった」