廃品置場

□玩具−12
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「なぁ、まだ……?」
「うん?」
「オレ、もう眠い……」


毎日毎日雨ばかり。
そんな憂鬱な日を経た快晴、今日も私は部屋にいた。


「まだ八時だよ?」
「だって最近寝てないし……」
「それはクロロだけじゃないでしょ」


資産家リストと照合中、背中に感じた熱の正体は、他でもないこの仕事を押し付けた団長張本人。
額を擦りつけ、早く早くと急かされる。


「ねぇ、もう少しだけ待てない?」
「ああ、待てない。眠いんだ。」
「……クロロから頼まれた資料なんだけど」


思わずついた溜息に、背後の熱が突然引いた。

毛布を持って隣に座り、許可なく膝に頭を乗せる。
そっと額の前髪を払う私の下腹部に顔を埋め、ごめん、と一言呟いた。


「……クロロ」


可愛い、とは思う。けれども。


「この状態は厳しい」
「うん……」
「もう少しだけ、待てない?」
「うん……」
「私だって、ずっと淋しかったんだよ?」
「うん……」


腰を抱かれて、引き寄せて、こんな日もたまには愛おしい。

クロロの寝息が静かに響き、仕事の効率が少しだけ上がった夜。



end

小ネタ/数奇な在り方


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