廃品置場
□玩具−03
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「オメェのせいだ馬鹿」
アパートの一室。
施錠されたドアを力任せにぶち壊し、三ヶ月ぶりに目にしたクロロは、ひどく痩せ細っていた。
無造作に伸ばされた手足。
散乱する家具や家電。
黒くて美しい髪は肩を侵食し、血色のない顔には見慣れぬ無精髭。
クロロではない、と、ノブナガは言う。
「団長にとってオメェは、唯一、生きてもいいと思える希望だった」
「私に、浮気を許せって言うの?」
「そうじゃねェよ」
クロロは、眠っていた。
死んでいるように、見えた。
「馬鹿みたい……」
静かに涙し、彼の身体を掻き抱いた。
end
lovesicknessに入れる予定だった話