廃品置場
□玩具−10
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念願だったコタツの設置。
クロロの性格を考えれば、こうなることは予想できたのに。
*
プリン、プリン、プリン、みかん、プリン、みかん、コーヒー、プリン、プリン。
現在、コタツの上には食べ終わった容器と皮がものの見事に散乱している。
勿論、当の本人は気にする素振りすら見せず、今も文庫を片手にまた一つ器用にみかんを剥いていた。
「ねぇ、ちゃんと片付けて」
「…………」
「ねぇ、クロロ」
「…………」
「クロロってば!」
「何だようるさいな」
新年早々頭が痛い。
一年の計は元旦にあり、なんて、ああなるほど。
その通りである。
「たった一日だろ」
「何が」
「昨日から今日へ。その流れは全く変わりようがない」
「だから?」
「いちいち騒ぐなって言ってるんだよ」
初詣を断られ、家の屋根に乗せてもらおうと申し出た初日の出さえも、クロロにとっては全て意味のない面倒な行為。
察してはいたが、いくらなんでもこれはない。