夢小説

□鳥籠の中で愛でる
1ページ/1ページ








足元で私の指を無心で吸っていた△△は顔を上げて「ミッシェルさん」と無邪気に笑んだ。

「ちゅーして」

にへら、とした笑みを湛えながら体ごとずり上がってくる彼女を迎える。
目を瞑って私を待つ△△の頬に軽くキスしてやると目を開けて不服そうな声を上げた。

「どうした」

「唇にして」

頬を膨らませながら抗議する△△に笑いを堪えて「嫌だ」と返すと、やーやーと幼児言葉で駄々をこねる。
肩を揺すられ、敵わないので彼女の頬に手を添えると不満顔から一転、ぱあっと笑顔を浮かべて再度目を閉じた。
今度はちゃんと唇に、しかし触れるだけのものをちゅっと一瞬だけしてやる。
するとまた目を開けて「ちーがーうー」と口を尖らせて抗議してきた。
ちょっとした洗脳だ。今のこいつは私しか見えない。
してと言いながら、焦らす私に待ちきれないのか△△は自分から唇に噛みついてきた。




こいつは私の、私だけのものだ。
食事を与え、ものを教え、風呂に入れ、快楽を覚えさせ、眠らせる。
外にも出さずにこの部屋の中だけでそんな風に育てていたら欲望と私に忠実になった。
目と鼻の先で楽しそうに笑む△△は私の腕を取り、先程まで舐めていた指に再度舌を這わせる。
こっちを見つめながら誘うように音を立てて吸い、間接に軽く歯を立て、舌を出して指に絡ませる。
ついこの間まで何も知らなかったのに、すっかり様になっているその姿に自然と笑みが零れる。

「こら。あまり舐めるとふやけるだろ」

軽く諫めて指を引き離すと「あ、」と名残惜しそうに声を上げた。指先と舌の間に張った糸を溶けた瞳で見つめる△△。
お望み通り押し倒して覆い被さる。
そうすると彼女は喜んで私の首に腕を回してきた。




「ミッシェルさん、ミッシェルさん」

腰を高く突き上げて無防備な姿を晒し、壊れた人形のように私の名を何度も何度も呼ぶ△△に気持ちが昂る。
後ろから△△に指を穿ち、耳に舌を突っ込んでやると、そうされるのが好きな彼女はあっあっと嬌声を上げて身をくねらせた。

「どうだ?具合は」

問うと息の合間に、きもちいい、とたどたどしく答える。

「いい子だ」

上手に返事ができたご褒美に髪を掴んでこちらを向かせ、口付けた。

「んぅ…は、ぁ」

漏れる声が△△がこの行為に心底感じ入っていることを示している。私は△△の口の端に伝う唾液を指で拭い、舐め取った。
その様子を恍惚とした瞳で見つめた△△はだらしなく笑う。
私だけを見させて、私だけを体に刻み込んで、ここだけに閉じ込めて、ここだけで生活する。
ろくでもない輩の目にこいつを晒すわけにはいかない。
大事なものは手放してはいけないのだ。何か起きてしまう前に対策を取るのは任務じゃなくても基本の教え。
雌の匂いが充満するこの部屋が私たち二人の世界だ。
後ろを向いていた△△をひっくり返して顔がよく見えるようにする。
そしてぐっと指を曲げると同時に赤い小さな蕾を親指で潰すと。

「あっ、っあああああっ!」

△△は嬌声を上げながら体を震わせ、失神した。
支配欲が満たされる、△△の達する時の顔がたまらなく好きで、いつも最後は正常位。
散々△△の嬌態を見せつけられた私のそこは彼女同様濡れそぼっていた。
私も限界だった。
気を失っている△△の柔らかな髪に指を差し入れてかき乱し、一方的にキスをする。
欲に任せて、激しく。熱い吐息と唾液が混じり、濡れていた彼女の唇がさらに潤いを増した。
△△の指を取って自分の下半身に這わせる。

「あぁ…」

細い指が滑りを借りて秘部にまとわりつき、その感触に自然と声が漏れ出た。
彼女の中指と薬指を中に差し入れ、親指で蕾を擦ると得も言われぬ快感が私を襲う。

「はぁ…んっ」

左手で触れている胸の頂は固くしこり、貪欲に刺激を求める。
秘部に添わせた△△の指も胸を弄る自分の指も激しく動かした。

「あっ…はぁっ」

先程自分が彼女にしたように親指で蕾を押し潰す。

「△△、△△っ、…っああぁっ!」

絶頂に身を震わせ、声を上げた。

「……ぁんっ、…あっ…」

余波も味わいながら、外に声が漏れているかもしれないなんて頭の隅で思ったがどうでもよかった。
気だるさが体に広がり、△△の隣に倒れ込んだ。






△△を見つめながら乱れた息を整えていると彼女が目を覚ました。
とろんとした表情で「ミッシェルさん」と呼ぶ△△の髪を撫で、なんだ、と続きを促す。

「ちゅーして」

先程と同じように目を瞑ってキスを待つ彼女に今度は私から深いものを贈った。
満足してくすくすと笑う△△は艶やかな笑みの中に無邪気さを取り戻している。
もぞもぞと下の方へ移動して私の乳房に吸いつく彼女の頭を撫でる。

「もっかい」

ふと顔を上げた△△に目線を合わせると、ねだってくるのでもう一度口付ける。

「ちがうよ」

唇を離すとそう言われ、察した私は洗脳の効果にほくそ笑んだ。いや、△△自身の欲なのだろう。


「もっかい、しよ」


私だけを求める可愛いこいつはもう誰にも渡せない。






***

15.01.03

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ