夢小説
□誰も知らない、
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「△△」
シーラとエヴァの三人で話していたら、後ろからミッシェルさんに呼ばれてその厳しい声に私は身を固くした。
おそるおそる振り返ると予想した通り彼女は怖い顔をしてこちらを見下ろしている。
「な、なんでしょうかミッシェルさん…」
恋人である彼女が仕事に関すること以外で私にこんな表情を見せることは無く、当然今回も何か任務についてのことだろうと思い、今日一日の出来事を振り返って見るもお怒りを買うようなことはしていないはずだった。
「話がある。私の部屋へ来い」
「は、はい」
叱られるようなことは身に覚えがないけれど、シーラ達の前でははばかれる程説教されるのかと恐れを抱きながらミッシェルさんの後をついて行く。
去り際にちらりと振り返ると心配そうにこちらを見守る二人の姿が見えた。
つかつかと早足で進むミッシェルさんに合わせて歩くのは大変だった。
道中、どんな話なのか声を掛けてみるも、無視された私は黙って後をついて行くしかなかった。
彼女の部屋へたどり着くと、ドアを開けた彼女にその中へ押し込められる。次いで中へと入ったミッシェルさんは後ろ手に素早く鍵を掛けた。
その動作で仕事のことではなくプライベートの話なのだと悟ったが、突然腕を引っ張られて私はバランスを崩した。
身を投げ出したのは幸いにもベッドの上だったため体を痛めることはなかったが、強く掴まれた手首が酷く痛んだ。
何事かと目を開けて状況を確かめようとすると、そんな間もなくミッシェルさんが私に覆い被さってきた。
――どうしてこんなことになっているんだろう。
シャツのボタンはどこかへ飛んでって、お気に入りの下着も思い切り引っ張られて糸が切れたみたい。
ミッシェルさんに見てもらうために買ったのに、彼女は目もくれずに無理矢理剥ぎ取り、丸まったそれを明後日の方向に放り投げた。
「や……あぁっ」
こんな風に乱暴にされるのは初めてだった。まるで強姦と言ってもいいほどだ。
愛を囁く言葉どころか何一つ言葉を発さずに、力に任せて裸にされるのは恐怖以外の何物でもなかった。
抵抗しようとしても元々の腕力が桁違いに違うから全く意味をなさない。
私の気持ちを一切無視した行為。
どうして。問うてもミッシェルさんは答えてはくれない。
「痛…っ。ミッ、シェル、さ…っ」
与えられる愛撫はもはや愛撫ではなく、彼女の負の感情をぶつけるためのものとしか思えなかった。
「やめて…っ。あぁんっ」
噛まれ、抓られ、引っかかれる。
胸の蕾は私の意志とは反対に、与えられる刺激に従順でもうすでに赤く凝り固まっていた。
がり、と噛まれて痛みに呻く。それなのに下半身が疼く。
両胸を舌と指で弄んでいたミッシェルさんは、舌での責めを続けながら右手を胸から腹部へと這わせる。その手の行き先が経験則でわかった私は足をきつく閉じ合わせた。
しかしそれも彼女 の前では効果がなく、容易く割り開かれてしまう。足の間に体を入れられて、閉じることもできない。
胸の蕾を解放した彼女は私を見下ろしてふんと笑った。
「なんだ。もうこんなにびしょびしょに濡らして。はしたない女だな」
「ちが…っ。いやぁ…っ」
羞恥で目をきつく瞑って顔を逸らしてもミッシェルさんの言葉が私を辱める。
「何が違うんだ?わからないならお前にもよく見えるようにしてやろう」
そう言った彼女は私の両方の膝裏に手を掛けると私の体に向けて押し上げた。
どんな体勢にされるのか咄嗟に予測がついて私は叫んだ。
「いやっ、いや、やめて…っ!」
私の拒否する言葉と、ミッシェルさんの手首を掴んで抵抗する姿はもはや彼女を煽るものでしかなかった。
劣情に染まった笑みを浮かべる彼女に、膝が顔の横に来る程まで押し付けられる。
「ほら。お前のここがよく見えるぞ。…ああ、また溢れた」
「いやぁっ」
恥ずかしい格好で秘部を丸見えにされ、楽しげに実況されることに私は堪えられず両手で顔を覆った。
「淫乱だな。△△は」
「あぁっ」
ふっとそこに息を吹きかけられ、意志とは裏腹にそこがひくひくと反応してしまう。
「物欲しそうにひくついてるぞ」
「やあっ…」
言わないで。そう思うのに冷たく詰られて悦ぶ体が浅ましい。
羞恥に震えていると更なるそれが私を襲った。
「ひあっ!」
前触れもなく、ミッシェルさんの舌が秘部を覆ったのだ。
ねっとりと這わされるそれに高い声が漏れる。
「あっ…あぁっ」
そこよりも熱く感じる舌が、じゅる、とわざと大きな音を立てて蜜を吸った。
一度では吸いきれなかったらしく角度を変えて何度も口付けては欲を吸われる 。その度に与えられる唇と舌の感触に声が抑えられない。
敏感になりすぎたそこはこれ以上なく腫れていて、彼女の吐息すらも刺激になる。
薄く目を開くと、ミッシェルさんが私の秘部に顔を埋めているのが見えた。目が合うと彼女は顔を上げて薄く笑い、てらてらと光る唇を舐めた。
「……っ」
その淫靡な光景は扇情的で、またとぷりと蜜が溢れ出る。
「あっ、あっ、あっ」
足の間からじゅぷじゅぷと水音が聞こえる。
激しく抜き差しされるミッシェルさんの指に翻弄されて、私は声を上げ続けていた。
もう何度気をやっただろう。
いつもとは違う彼女が怖いのに、私は理由もわからないまま喘ぐしかできない。
どんなに突かれても指では奥には届かなくて、それは当たり前なのにそれがミッシェルさんをより苛立たせているようだった。
「クソ…ッ」
苛立ちをあらわにする彼女に不安になる。
するとミッシェルさんは急に体を倒してきて私の肩口に顔を埋め、耳元で吐息混じりに漏らした。
「私が男だったら、もっと乱れるのか?…違う顔をするのか?」
切実に発されたその言葉。
それがこの行為に及んだ理由なのだろうか。
そうじゃないのに。ミッシェルさんだから好きなのであって、男だったらなんて考えたこともない。あなたが今見ている私が全てなのに。
快楽に支配された頭の隅でぼんやりと思うも、言葉にするにはこの交わりはあまりに激しくて、私の口から零れるのは嬌声だけだ。
必死に言葉を紡ごうとしたその時、
「ひぁあああぁっん!」
一番弱いところを強く擦られて私は達し、ついに意識を失った。
自分の体がびくりと反応し、私は目を覚ました。
酷く体が重い。と同時に下半身に違和感を感じてそちらへ目をやると、ミッシェルさんが私の秘部を弄んでいた。
「あ…あ…ミッシェル、さ、」
湧き上がってきた恐怖に言葉が詰まる。
「目を覚ましたか」
そう言いながら私のそこを広げて指でくちゅくちゅとかき回す。
行為を終えてもいつものミッシェルさんに戻ってはいなかった。
「面白かったぞ。眠っている間もここを弄るとぴくぴく反応して」
眉を顰めたり声を漏らしたり。
そう言って冷たく笑うミッシェルさんはもう私の知っている彼女ではなかった。
「なあ。私だけに見せろよ。お前の全てを」
ミッシェルさんは私の体液に塗れた手で私の頬を撫でる。
「なくても、愛してくれるよな?」
***
15.01.05