スレイヤーズ短編集

□愛してるって
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 長く一緒にいる相手ほど、言わなくなって来るものなのだろうか。
 リナと出会って数年、もう気心もしれてるし、手に取る様に考えている事もわかる、間柄。
 でも。
 だからこそ、言って欲しい時だってあるのだ。

 ――愛してる、って。

「……なに、ぼんやり見てんのよ?」
 なんとはなしに、リナの方を見ていた所為で、怪訝そうに言われてしまった。
「いや、考え事」
「が……ガウリイが?
 ちょっと、また熱あるんじゃない?」
 この前、大雨の時に熱を出したのを引き合いに出して言う。
「オレだって、考え事くらいするさ」
 リナは洗濯物を取り込む手を休めてまで、オレの所に来て、手を当てて熱を測ろうとしていた。
「……大丈夫だって。日が暮れちまうぞ」
「そういうなら、手伝ってよ」
「おお」
 リナの小さな身体では取り込むのも大変なくらいの洗濯物を、片手で取り込む。
「……最初から手伝ってくれれば、早く済んだ気が……」
「そういうなよ。ほら、持って行くから」
「ん、お願い」
 ふと、振り返ると、夕日に照らされたリナがとても綺麗で。思わず足が止まる。
「何?」
「あ、いや……」
 いかん、しっかりしないと、リナにどやされる。
 思い直して、歩き始めるが、たった今見たモノを消せるはずもなく。
 はあ……と、溜息を吐いてしまうオレに、リナはより一層心配になったらしい。
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