スレイヤーズ短編集

□ばすたいむ
2ページ/4ページ

 はあ……このわがままさ、誰に似たのやら……
 ガウリイをバスルームに連れて行くと、
「う、後ろ向いててよね!?」
「おお」
 お互い後ろを向いたまま、服を脱ぐ。
「ああ、ほら、脱ぎ散らかさない。
 ちゃんと籠に……」
「そうしたら、お前さんの裸、見えちまうんだが?」
「……そのままでいいわ」
 急いで準備すると、「あたし先に入るから!」と入っていった。

 ――ちゃぽん。

 乳白色のお湯が、肌に優しい。
「ガウリイー? もういいわよ」
「おー」
「って、前隠しなさいよ!」
「いいだろ、どうせ……」

 え?

「一緒に入るんだし」
「ちょ、狭いって!」
 ガウリイの体格じゃ、このバスタブは少し狭い。しかし、意に介さず、
「こうすればいいだろ?」
「……うひゃあっ!」
 急に腕を引っ張られ、ガウリイの身体に抱きつくような格好になった。
「は、離して!」
「んー、リナはいつまで経っても、初々しいなぁ」
 嬉しそうに言う。
「夜とはまた違う顔だよな」

 ――ぼふっ!

 瞬時に顔が赤くなる。
「恥ずかしい事、言うなぁぁぁぁっ!」
「おー、良く響くなー」
 暖まってきたからか、声に余裕が出てきた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ