スレイヤーズ短編集

□スープカレー
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「辛っ! あんた、こんな辛いの食べてんの!?」
「そんなに辛いかぁ? リナのが甘めに出来ているんじゃないか?」
「あたしのは普通よ! 辛いの食べ過ぎて脳みそまでスパイス漬けになってるんじゃないの!?」
「おお、なんか頭良さそうに聞こえるな!」
「褒めてないわあぁぁぁぁっ!」

 此処は、カレー専門店。
 辛さはお好みで選べて、ランク付けされている。
 あたしは、標準的な辛さのランクを、ガウリイは何を思ったか、最高ランクの辛さを注文した。
 ところが、平気な顔をして食べている為、ちょこっとだけ味見をしてみたのだ。
 ……うん、舌が馬鹿になっているとしか思えない。
「うまいんだがなぁ」
「どこがよ!」
 あたしは咳き込みながら、慌ててラッシーを飲み干すと、だんっ! とテーブルに置いた。
「普段は辛いのなんて食べない癖に」
「いやぁ……ちょっと冒険を」
 にこやかに言う。
 ……なんか妙に負けた気がするのはなんでだろう。
「にしても……あんた、ピーマン嫌いじゃない。此処のカレーは必ず入ってる、っていうのになんでまた入ろうと思ったの?」
 ガウリイは視線を泳がせるが、
「……リナ、食べてくれ」
「食えるかっ! ただでさえ辛いのに、面倒見切れないわよ!」
「むう……」
 残せば、リナ怒るしなぁ……とぼそぼそ呟く。
 そして、ぽん、と手を叩くと、
「そうか」
「?」
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