スレイヤーズ長編小説

□遊郭と異国の合間〜遊郭シリーズ番外編
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「ほら、もう一度」
「こ、こんにちは……?」
「そうだ! 出来たじゃないか!」
 いきなし、頭をぐりぐり撫でられた。
「ちょ、ちょっと! 髪! 乱れる!」
「じゃあ、次行こうな。
『今晩は』」
「こばは」
 再び、顔を真っ赤にして、震える。
 ……教える気はあるのか、こいつ。


   ◇


「……って事があったわよね?」
 勉強部屋で、ガウリイと。
 今日はゼロスが暇を貰っていて、居ないのだ。代わりにガウリイ自ら、久しぶりに教えに来た、と言うわけである。
「あれ、なんで笑ってたわけ?」
「ああ、アレな」
 思い出したのか、また顔を緩ませる。
「リナが可愛すぎたからだよ」
「……は」
 にこにこと彼は、
「いやー、片言で返されるのがあんなに可愛いとは思わなかった。
 普段、リナは口が立つだろう? なのに、言えない、ってのが……こう、悶えた」
「なにそれ。変態じゃない」
 言うと、彼は心外そのものの顔で、
「じゃあ、リナはオレが片言だったら、どう思う?」
 ……ガウリイが片言?
 想像する。
 ガウリイが片言……
「異人だなー、って」
「それだけかよ。この浪漫がわからんとは……」
「なにが浪漫よ」
 思わず苦笑する。
「口が立つリナも可愛いが、アレは可愛すぎた。反則だ」
「っておい」
 けど、と続けるガウリイ。
「よく、短期間で覚えたよなー
 それには驚いた。最初、あんなだったのに……」

 …………

 なんか目線を上にやっていたかと思うと、急に真っ赤になって、ぷるぷるしだした。
「思い出すなぁ……」
「思いださんでいいっ!」
 教える気はあるのか、こいつはっ!
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