スレイヤーズ長編小説

□運命って
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「あ、あの」
「……いやー、オレもなんだ」
「え?」
 あたしと視線が合う。綺麗な碧い瞳。
「無理矢理参加させられてさ、このパーティーに」
「アナタも?」
 思わず返した言葉に、彼は「やっぱりな」と笑った。

 …………

 引っかけられた!
 本心を口にしてしまい、バツが悪くなる。
「あ、いや。オレの言った事は本当だぞ?
 人数合わせに連れて来られたんだ」
「……へー」
「信じてないな? よし」
 バルコニーへと出ると、
「……うきゃあっ!?」
 あたしをお姫様抱っこした。
「ちょ、ちょっと!」
「このまま、成立したって事にしようぜ。お姫様」
「ええ?」
「その方が面倒が無くて、良い」
 ……なんつー、適当な。ヒトの事言えないけど。
「そうだ、名前。言ってなかったな。
 オレはガウリイ。よろしくな」
「……リナ」
 勢いに負けて、小さな声で答えてしまい、視線を逸らす。
 ガウリイの笑顔は、会場に飾られた花よりも綺麗で、華やかだった。


「おめでとうございます! カップル成立しました!」

 会場から拍手が起こり、あたしとガウリイは、便宜上の婚約者になった。
 一緒に来た子は先に帰ってしまったので、自然あたしとガウリイが二人で帰る事になる。
「……早まったなぁ」
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